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■ VIEWPOINT 文:広河 隆一
アフガン報道に思う“何をどう伝えるのか”
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Posted: 1/27/2002

 ミニ CNN

 最前線でのテレビ取材にフリーランスが活躍するようになったのは、機材の発達によるところが大きい。

 かつてテレビは大きな機材でなくては取材できなかったが、クオリティの高い映像が小型カメラで撮影できるようになり、1 人で取材するビデオジャーナリストが多く現れた。そしてこの 1 〜 2 年の間に、インターネットなど通信手段の発達によって、資金が乏しいフリーランスでも、前線から実況報告ができるようになった。

 ビデオジャーナリスト出現の時代から、さらに次の段階への移行が進んでいるわけだが、これは本来なら、より優れた報道を可能とするはずではないか。

 しかし現実に起こっていることは、ジャーナリストたちの「ミニ CNN 化」である。最前線からの報告だけに集中し、戦争の本質を伝える作業を忘れてしまったのだ。この傾向はさらに強まるだろうと思われる。

 テレビだけではなくスチール写真の分野も、大きな分かれ道に来ている。デジタル化の進行とインターネットの普及により、カメラマンは撮ったその場から写真を配信できるようになった。それはカメラマンの環境に、本来ならばいい影響を与えるはずである。

 だが、こうした機材環境の発達は、ジャーナリストを飲み込んでしまっている。使いこなす側の精神的発達が伴っていないのだ。

 ジャーナリストは先端技術を使いこなす技術者ではない。それはあくまで従属的なことだ。ところが、ビデオジャーナリズムでもフォトジャーナリズムでも、語られるのは技術的なことばかりである。早ければいい、前に抜け出せればいいというミニ CNN の従軍記者達は、今後さらに、無意味で熾烈な競争を繰り広げるだろう。

 ニュースは早さだけで価値判断され、中身や質は二の次になっている。本社の受け手も未成熟なのだ。ニュースの意味を心の中で反芻し、歴史と情勢を判断し、被害者の側からきちんと報告できる人間がいてはじめて、機材の進歩も活きるのではないか。

 もちろんアフガニスタンから優れた報告を行ったジャーナリストもいる。

 12 月 4 日付のイギリス『インディペンデント』紙には、「村が破壊されているが、アメリカは何も起きていないと言う (A Village is Destroyed. And America Says Nothing Happened.)」というタイトルの記事が掲載された。これを書いたリチャード・ロイド・パリー記者は、空爆で多数の村民が死亡した「何も起きていない村」の様子をなまなましく描写しながら、関連したアメリカ国防総省の発表を、痛烈に皮肉っている。

 しかし残念ながら、こうした例は世界でも非常にまれである。

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 この記事は、2002 年 1 月 26 日に『朝日新聞』の「私の視点」欄で発表した「アフガンの何を伝えるのか」という文章を補完するものです。
 なお『朝日』に掲載された文章は、「アメリカ同時多発テロへの武力報復に反対するホームページリンク集」にアーカイブされていますので、お読みになりたい方はそちらへどうぞ。
http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Asagao/7440/kang-a.html

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