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パレスチナ自主制作フィルム企画の発表
 Updated: 1/21/2003
自主制作フィルム 〜中東・パレスチナ 55 年後の現在〜 製作開始にあたって
広河 隆一
■私がパレスチナ問題に関わって 35 年以上の月日が過ぎました。当初は理想の世界と喧伝されていた、農業共同体キブツに憧れてイスラエルに行ったのです。しかし、すぐに第 3 次中東戦争が始まり、イスラエルは広大な占領地を手中にしました。そして私は否応なしにパレスチナ問題に向き合うことになりました。
今語られているイスラエル・パレスチナの和平とは、この時の占領地をパレスチナ人の元に返して、パレスチナ人が念願の独立国家をもつことができるか、それと引き替えにイスラエルは安全保障を手に入れられるかという問題です。
■イスラエルの建国後に限って見てもパレスチナ人にはいくつかの大きな事件がありました。
その第一は、1948 年のイスラエルの独立とパレスチナ難民の発生です。イスラエル建国によりおよそ 70 万人以上のパレスチナ人が難民となり、400 以上のパレスチナ人の村が消え、かつてのパレスチナ人の地にユダヤ人の入植地が建設されました。
第二は 1967 年の第 3 次中東戦争です。この戦争でイスラエルはパレスチナ全土を手中にしました。
第三は 1970 年のヨルダン内戦です。この戦争で PLO はヨルダンを追われれました。
第四は 1982 年のレバノン戦争です。このときシャロン国防相(現首相)率いる
イスラエル軍はレバノンに侵攻し、二万人の死者を出しました。その中で犠牲者数千人にのぼるパレスチナ難民の虐殺事件が起こります。
そして今進行中なのがパレスチナ自治区の再占領です。
このような歴史的な視点を持たずに現在の状況だけ見ると、何故パレスチナ人がイスラエル軍に抵抗しているのか分からず、パレスチナ人は単なるテロリストだと考える人も出てくるでしょう。
■私は大分以前から取材の道具として写真とビデオを両方用いてきました。しかしビデオの作品となってテレビで放映されたものは、全部合わせても素材の 100 分の 1 にもなりません。パレスチナ難民のインタビューや、彼らの故郷である消えた村々を撮影したものはほとんど、番組にすることもできませんでした。それは日本では最近ドキュメンタリー番組を放映する枠がいよいよ少なくなっているせいです。
消えた村々と難民の発生についての記録は、2002 年の秋「写真記録パレスチナ 第2巻 消えた村と家族」として発表しました。しかしビデオの作品としてもこのテーマで制作し、多くの人に見ていただきたいという気持ちはいよいよ大きくなっていました。
しかしテレビ番組には放映時間やその他の様々な制約があり私の意図を表現する事が難しいと感じていました。そこで自主制作をしようと思うに至りました。
「ショア」という記録映画がありました。ユダヤ人のホロコーストについての証言記録です。これは 9 時間にも及ぶ作品で、ユダヤ人が経験したホロコーストという惨劇と苦痛の証言が膨大な量記録されていました。
このような作品にはとうてい及ばないかも知れませんが、私はパレスチナ人の歴史と苦しみが伝わるような大きな証言記録を作りたいのです。このテーマで作られた作品を私は寡聞にして知りません。
■今回のフィルムを製作するに当たり,皆様に『 1 コマサポート』への賛同をお願いしたいと思います。
『 1 コマサポート』とは、テレビや既存のメディアでは伝達が困難な情報を皆様一人一人のお力をお借りして世の中へ伝えよう、とするものです。
まず賛同いただける方からフィルムの制作費として資金を集め、フィルムを作成します。今後の活動で利益が出れば、次の作品を手がけていく基金を立ち上げたいと思っています。
趣旨に賛同いただけるなら是非ともご協力ください。よろしくお願い致します。

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