HIROPRESS.net 『写真記録 パレスチナ』全 2 巻
■ GALLERY 3
『写真記録 パレスチナ』プレビュー写真展
写真:広河 隆一
激動の中東 35 年
 
Posted: 10/11/2002
 前回に引き続き、近日刊行予定の 2 巻組写真集『写真記録 パレスチナ』のプレビューをお送りします。
 2 回目の今回は、第 1 巻『激動の中東 35 年』のご紹介です。
 写真は、クリックすると拡大表示されます。
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 9・11 の「衝突」に至る道筋の根源として「パレスチナ問題」があり、その解決なくして、どんな「衝突」が繰り返されようとも終わりはやってこないことは今や明らかである。いくらキリスト教、ユダヤ教、イスラムの歴史的対立が背後にあると言っても、それが神学論争の域を超えて、流血、テロ、戦争になるのは具体的紛争点がある時で、それがパレスチナだからである。

 広河隆一氏のカメラとペンは 35 年にわたって、その様相をとらえ続けてきた。

 その根気、勇気、元気 (エネルギー) にはあらためて驚嘆する。そして、この個人的努力が映し出し、私たちに示しているのは、年を追う毎にパレスチナとそれを巡る環境が打ち続く対立、戦禍のなかで荒廃、険悪化していく過程である。広河氏が撮った一枚、一枚、一コマ、一コマが、目前を流れ続けるテレビ映像とちがって、「刻印」を打つようにして、そのことを伝え、私たちの胸に迫って来るのである。

筑紫 哲也
ジャーナリスト
第 1 巻「推薦の言葉」より
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 世界中で毎日たくさんの事象が起こっている。その大半は無視して忘れてしまってかまわない。しかし、中にはどうしても無視できないものがある。

 家を追われ町を追われた人々が、持てるだけの荷物を持って、標高 2,600 メートルの雪の峠を徒歩で越える。この光景は無視できない。なぜこのようなことになったのか、何が彼らを追い立てているのか、見る者は考えなければならない。

 フォト・ジャーナリストの仕事は指さすことだ。無視してはならない事象を指さして、これを見よと言うことだ。峠を越える人々、射殺された少女の死体、われわれが普段見ているどんな車よりも大きくて重くて威圧的な戦車、その戦車に投石で応じる人々。広河隆一はわれわれが見るべきものをしっかりと指さしている。

池澤 夏樹
作家
第 1 巻「推薦の言葉」より
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